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「HAL YAMASHITA東京」(六本木)で行われた 山下春幸と辻田浩之の対談の続きをお届けする。 「やまつ辻田の、和のスパイスはアメイジング」
辻田浩之/「NADABAN by HAL YAMASHITA」では容器に入った極上 七味がテーブルにおいてあります。海外の店でもテーブルに 香辛料が用意させれているのですか。
山下春幸/外国人は香辛料の適量がわからないので僕らがかけてあげ ま す 。昔 、あ る 会 社 に 頼 ま れ 、海 外 で 寿 司 酢 を 売 ろ う と し た こ と が あ り ま す 。と こ ろ が 、ま っ た く 売 れ ま せ ん で し た 。寿 司 酢 を 使う文化がない国で寿司酢を広めようと思っても使い方が わかりません。make shushiと書いた説明書と巻き簾をいっ しょに入れたら寿司酢が売れました。使い方などを書いたガ イドブックをつければ、海外の人も興味を持ってくれます。山下/ナパやシンガポールの店で香辛料を使った料理を出しはじめた 頃 、 香 辛 料 を 説 明 し て い ま し た 。「 こ の ス パ イ ス は 秘 伝 の ブ レ ン ド で あ る 。僕 も わ か ら な い し 、教 え ら れ る も の で は な い 。ア メ イ ジ ン グ の 世 界 だ 」と 伝 え て い ま し た 。
「僕の料理には香辛料が欠かせません」
山下/使わせてもらいはじめた頃、オリジナルの香辛料を作って欲しい と辻田さんに頼んだことがあります。あのとき、「俺を信じてこれを 使ってくれ」と辻田さんに言われました。香辛料に使う食材も毎年 出来や味が異なり、微妙な調合をしているはずです。調合師の聖 域に口出しをすべきではなかったと反省しました。
辻田/そんなことはない。いつかハルさんのを作らせていただきます。 山 下 / 先 程 、辻 田 さ ん に 食 べ て い た だ い た「 和 牛 の 炭 火 焼 き 」も「 す き 焼
き」もそれはそれでうまいと思っています。 辻田/ハルさんの料理はどれもおいしかったわ。
山 下 / あ り が と う ご ざ い ま す 。で も 、抑 揚 が あ り ま せ ん 。日 本 人 は 味 覚 こ そ優れていますが、ワインの香りを嗅ぎわける欧米人と比べると 日本人は嗅覚が鈍い。嗅覚と味覚の連動が大事。でも、香辛料を かけると嗅覚と味覚を刺激します。最初は嗅覚で感じ、食べると 味覚を感じ、嗅覚が消える。香辛料は料理の主役にこそなれませ んが、僕の料理には欠かせません。辻田さんの香辛料に助演男優 賞 か 、助 演 女 優 賞 を あ げ た い と 思 っ て い ま す( 笑 )。
辻田/ありがとうございます(笑)。
(取材・文/中島茂信 撮影/海保竜平)

												  
												 

【HAL YAMASHITA東京】
東京都港区赤坂9-7-4東京ミッドタウン 1F 03-5413-0086 営業/11:00~15:00、17:30~23:00 定休日/月曜 http://www.hal-yamashita.com/
【NADABAN by HAL YAMASHITA】
東京都千代田区有楽町1-1-2東京ミッドタウン日比谷2F 03-6273-3386 営業/11:00~15:30(LO15:00)、17:30~23:00(LO22:30) 不定休
http://nadaban.com/
【HAL YAMASHITA Napa】
1300 Main Street, Suite 100, Napa, CA 94559 予約電話/707-699-1864 営業/土日11:30~14:00、17:00~21:30(LO21:00) 定休日/火曜夜
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【Syun by HAL YAMASHITA】
8 Sentosa Gateway, Ave8, シンガポール
電話/65-6577-6867 営業/12:00~15:00(LO14:30)、18:00~22:30(LO21:30)
無休 https://www.rwsentosa.com/en/restaurants/signature-restaurants/syun
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