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2022年9月。北青山の「Hotel's」で、 鳥羽周作と辻田浩之が参加する食事会が開催された。 前菜、メイン、パスタ、デザートなど、 全11品ほどんどの料理に「やまつ辻田」の香辛料が使われるという 鳥羽の辻田愛を表現する食事会だった。 食事会終了後、鳥羽と辻田の話を聞くことができた。 Love&Peaceシリーズ初となる、記念すべき二人の対談をお伝えする。 「辻田さんに和風香辛料の使い方を教わりました」<br> 鳥羽／食事会直前、初めて「やまつ辻田」へ行くことができました。すき焼きなど、香辛料を使った料理をいろいろ食べさせてもらいながら、辻田さんから香辛料の使い方を教えてもらえたのは大きな収穫だったと思うなあ。香辛料は脇役だと思っていたけど、辻田さんの料理では香辛料は主役でした。<br> 辻田／香辛料は脇役でしかないんよ、基本は。 <br> 鳥羽／いや、あの使い方は主役だって（笑）。極上七味や山椒をあんなにたくさんいれてもいいんだって驚いた。香辛料をいれればいれるほど料理がおいしくなる概念をもっていなかった。<br> 辻田／うちの香辛料は油との相性がいい。すき焼きは極上七味をたっぷりいれた溶き卵に肉をつけて食べる。肉の脂分で唐辛子の辛味が中和されて、うま味だけが残ります。<br> 鳥羽／穴子寿司に柚子胡椒をたっぷりのせて食べたけど、柚子胡椒の辛味を感じなかった。むしろ、穴子の旨みを感じた。<br> 「辻田さんの山椒は山椒を超えている」 辻田/それは山椒も同じ。脂分が多い穴子寿司に山椒をかけても舌がしびれません。ふつうの倍以上かけても大丈夫。山椒の辛味が消えて、山椒のうま味だけが残る。 鳥 羽 / 辻 田さんの山椒は花の香りがするし、色も美しい。はっきり言って辻田さんの香辛料は世界一。 辻 田 /うちの山椒を肉料理に使ってほしい。山椒3 、塩1で山椒塩を作り、ステーキにかけるとうまい。塩はサラサラの焼き塩がおすすめ。 鳥羽/山椒をかけると料理が立体化するんだよね。 辻田/山椒を食べると痛覚を刺激する。味覚と痛覚ではさみ、味を立体 化し、味に深みができ、よりおいしく感じるのだそうです。 「鷹の爪はほぼドライフルーツだと思う」 鳥羽/鷹の爪がすばらしい。辻田さんの鷹の爪には辛さと香りだけでなく、甘みが潜んでいるんだよね。 辻田/鷹の爪は辛さだけが注目され、うま味があることが知られていないのが残念。 鳥羽/僕が一番大事にしているアラビアータを、今日は辻田さんの鷹の爪で作らせていただきました。ふつう鷹の爪は種をとりのぞいて使う。今日は鷹の爪をオリーブオイルにつけ、やわらかくなったものを皮も種も細かくきざみ、鷹の爪の辛味、甘さ、うま味を抽出したアラビアータにしました。辛さではなく、鷹の爪の味を意識して使った。 辻田/鷹の爪そのものははいっていなかったけど、鷹の爪の味わいだけを感じさせてくれるアラビアータだった。そこが面白かった。 鳥羽/オリーブオイルにつけた鷹の爪をきざんだら赤い色素が流れてきた。それぐらいフレッシュ。辻 田さんの鷹の爪はほぼドライフルーツ(笑)。 辻田/嬉しいわ、鷹の爪と本気で向き合ってくれて(笑)。 鳥羽/アラビアータもペペロンチーノもみんなが知っている料理だけど、 辻田さんの鷹の爪を使うとまったく違う料理になる。みんな感動してくれたと思うなあ。 辻田/今日のアラビアータは辛さもあり、塩加減が抜群だった。 鳥羽/塩の輪郭を感じさせない、ギリギリ手前の塩味をつけるところが 「sio」の料理の真骨頂。 「『やまつ辻田』と出会えて人生が変わった」 鳥羽/「やまつ辻田」の香辛料を使いたい料理人はたくさんいる。実際有名なシェフが使っている。皆さんそれなりの料理を作っているはずだけど、香 辛料を活かしきっているシェフは少ないと思う。僕は辻田さんの香辛料の良さをわかった上で、おいしい料理を作りたいと思っている。 辻田/香辛料を活かせば、もっとおいしい料理になることに気づいていない料理人は多いかもしれない。 鳥羽/「やまつ辻田」と出会えたおかげで人生が変わった。「sio」でも「㐂つね」でもコース料理に辻田さんの香辛料を使っているし。 辻田/鳥羽ちゃん、ありがとう。ほんま、嬉しいわ(敬称略)<br> (取材・文/中島茂信 撮影/海保竜平) http://sio-yoyogiuehara.com/ 鳥羽がやまつ辻田を初訪問した際撮影した動画を公開中。なお、 鳥羽が動画のなかで語っているクラウドファンディングは既に終了しています。 <br> https://www.instagram.com/p/ChwnJ_VIzR3/?utm_source =ig_web_copy_link
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