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【平成二十三年八月】 |
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【北海道の夢?完結編】
8月8日 京都での次女(依里子)の近畿大会を終え、車にて1200キロの青森インターハイに向かった。石川県の海岸でスイカアイスを食べながら、廉・藍・響と優雅に飛ぶパラグライダーを眺めた。日本海側を北上。ながぁい新潟から山形に入り、真夜中の秋田を抜け、2時間程仮眠。なんとか第一試合(PL−島原戦)に間に合った。
長い道のりだった。「よくここまでたどりつけたな。」息子との15年間の剣の道と重ねて色んな想いが込み上げて来た。
『3歳から剣を握った。』
と言えば聞こえは良いが、とにかく不器用な子で前後左右の足さばきを教えるために自宅の床に足型を書き、くる日もくる日も一、二、三、四と繰り返したのを覚えている。小学一年生の初めての授業参観で、教卓の前の席で堂々と居眠りをこいた。
こまかいことは無理だと思い、徹底的に面を打たせた。すべての技を構えと「面」で切り落とすことを「王者の剣」と名づけ、どんな技をも面打ちで包み込ませた。
小学時代は大胆なこの面打ちでたくさんの賞をいただいたが、この無謀な面打ちで肝心なところでよく負けた。最後の水戸大会の前日の練習試合で日本武道館個人優勝者茨城の藤田君と三試合し、真っ向勝負の面を計6本奪ったことが心に残っている。
剣道は「自分の思いをこの一撃にこめる」であるので、中学時代は素晴らしい先生との出会いはあったが自分の剣をまとめきれずにもう一つ力を発揮できなかった。最後の近畿大会では全中優勝チームを破り優勝を果たしている。
関空から飛び立つ彼を涙で見送った日から2年半が経つ。北海道には心惹かれる剣を指導される先生がおられる。一年生、二年生半ばまで箸にも棒にもかからなかった彼が上段でよみがえり、北海道新人戦を制し、大阪での全日本都道府県対抗に北海道の先鋒として出場した。春のインターハイ予選でも、個人・団体ともに出場権を得てこの夢舞台に立つ。
不器用な剣は相変わらず。しかし相手の前に堂々と全ての技を面で切り落とす「王者の剣」の面影あり。予選リーグ九州学院戦。気持ちで圧倒した。準々決勝東海大相模戦。一本先取された後の宮崎選手への魂の一撃。
この一撃のために積み上げた万日の稽古であったのかもしれない。
準決勝は茨城の藤田君、練兵館の安良岡君のいる小山高校に敗れた。
モチモチの木(斎藤隆介・作、滝平二朗・絵)の、豆太の「やさしさ」と、それを魂に変える「純粋な努力」があればなんとかなるのかな。「清水の舞台の予習」をいっぱいしました。いつ花が咲くのかわかりませんね。
いっちばん鈍くさいのに、僕の教えた生徒たちの中でもNo.1くらい鈍くさいのに夢のインターハイで大きな大きなごほうびをいただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。
千代の極上七味 5g
(Present包装) 367円
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