べに山桜の旅

平成二十一年やまつ辻田二十選べに山桜の旅二十三
奈良、「馬の目」(0742-23-7784:要予約)に20年間かけてある佐藤勝彦の大好きな詩です。

  【平成二十一年二月】
 
『十三年間の夢』

 剣道を始めた日の彼女は、竹刀の音と強烈な気合いに圧倒されて、どうしても道場の中に足を踏み入れることができなかった。震える彼女の髪を掴んで道場の中に引きずりこんだ。
直感でその瞬間が一番の山場であることを感じた。それまでは、ほとんどの試合に彼女を連れて行って、優勝の喜びの写真に肩車した彼女が映っている。
 彼女を連れて行った試合は、よく優勝した。
 彼女は、勝利の女神だった。
初めての試合は、小学二年生の堺市民戦。三年生の宮山台・武田さんにあっさり負けた。宝石のような涙をポロポロ流した。団体戦は、住吉川の河野さんに決勝で引き胴で負けた。見事な剣道で、この日から彼女が僕達の目標になった。小学四年生の剣禅会の大会で、低学年の大将として、低学年日本一・昇龍館の松井くんと戦った。なんと彼女は、松井くんを一足一刀の間より、遥か遠い間からの面で打ち抜いた。彼女との日本一への挑戦が始まった日だ。朝晩朝晩彼女を鍛えに鍛えた。小学六年生、大阪府女子個人優勝。全日本大会では、熊本の中尾さんに敗れた。中尾さんは、三年後の全国中学をとった。

 中学時代は、背骨の曲がる先天性の病気が発覚。
四十二度の背骨の曲がりを矯正するために二十四時間、剣道の時間以外眠る時もコルセットを装着。三年生の最後の大会は、PL学園の前田さんと決勝し、全日本大会に出場をはたした。
 十二年目・高二の夏
彼女は、夢のインターハイに出場した。今までの努力に神様が大きなご褒美を下さった。夢のようだった。

 十三年間の夢をかけて
先週の日曜日(インターハイ大阪府予選)、彼女は再びの夢に挑戦。

 三回戦で夢破れた

 『十三年間の夢――幼稚園の頃から十三年間この大会で優勝することを目標に練習してきた。インターハイで活躍するのが夢でした――娘の日記より』

 三番目の娘が

「佳保ちゃん、依里子あと六年あるから助けてな」

  北海道の息子は、一言 「ぼけ」  

『幸せの王子』 読んだときみたい。
  悲しいなでもとってもあったかいな

彼女と十三年間
 一緒に剣道できたこと神様に感謝します
 ありがとうございました



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